不良だらけの危険なバイトッ☆
具合が悪そうな青ざめた顔。
最近のユキ君は尋常じゃない。
「ちょっと疲れてるだけだ」
「それなら少しくらい、自分の体大事にしてよっ」
「それは…」
そう言いかけてユキ君は唇を噛む。
そして、あたしの体に回した腕に力をこめて強く抱きしめた。
「…ごめん」
あたしの肩に顔をうずめたままかすれた声でそう言った。
「俺は今の生活をやめることはできない」
「どうして…」
こんなにボロボロになってまで、なんで働かなきゃいけないの。
あたしの勝手な押し付けの意見だってわかってるけど…
でも……。
「俺には働かなきゃいけない理由がある」
けれどもユキ君はきっぱりとそれだけを言い放った。
「だから…ごめん。俺は大丈夫だから」
ユキ君は立ち上がる。
そして早足であたしの横を通り過ぎていった。