不良だらけの危険なバイトッ☆
「だから、俺達に今できることは笑ってること。いつも通りにあいつと過ごしてくことだと俺は思うよ」
ユキ君にあたし達のことまで心配させないために。
「うん…!」
あたしが答えると隼人はあたしの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「少し元気が戻ったな。それでいいんだよ」
隼人の笑顔がきらきらして見える。
そうだ、いつまでも落ち込んでいられない。
あたしはあたしにできることをやらなきゃ。
それしかないんだ…
「お前が笑って…、それがユキにとって…」
「ん?」
「なんでもねえよ、ほら」
隼人はそう言って手を差し出してくる。
「え…うんっ」
その手を取って立ち上がると再び強く抱きしめられた。
あたしより少し高い体温を感じる。
隼人は何も言わずにしばらくあたしを抱きしめたまま目を閉じていた。