不良だらけの危険なバイトッ☆

口角を少し上げて微笑むいつもの俺様スマイル。


隼人の拘束が緩んであたしは少しよろける。


でも、目が離せないのー…


隼人はそのまま早足で部屋を出ていく。


あたしの手のひらに何かを残して…。


さっきのキスの間に握らされたもの、手を開くとそこにはチケットのようなものがあった。


「飛行機の…旅券」


よく名前の知れた空港から、ロンドン行となっている。


そして、日付けは…


12月24日。クリスマス・イヴ。


あたしはカレンダーに視線を移す。


全然季節なんて実感していなかった、もう後1日で12月だというのに。


"待ってるから"という無言のメッセージを感じてあたしはチケットを胸元で強く抱きしめた。

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