不良だらけの危険なバイトッ☆

『ほんと、ありがとっ』


ふいにドアの向こうから声が聞こえてくる。


こんなきゃぴきゃぴした声をしているのはこの家にあいつしかいない。


莉子…


一方的に彼女の声だけ聞こえてくるのは電話でもしているからなのだろう。


ドア越しだから会話の内容は聞こえない。


だけどすごく楽しそうな声だ。


そっか…


今日はあいつは…。


「……」


最近しつこいくらいに心配されてつきまとわれていた。


それが嫌なわけじゃないけど、今日はそれから解放される。


そう思うと少し気が楽かもしれない。


なんて考えているうちにうとうとと睡魔に襲われる。


昨日もバイトで全然寝てないからな…


今日はまだ時間あるし、少し寝ようかな。


「ん……」


そう思った瞬間…俺は夢の世界に入っていた。

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