不良だらけの危険なバイトッ☆
だけどまた
RRRR…
電話が鳴り始める。
だけどユキ君に起きる気配はない。
でも、こんなに何回も鳴ってるってことは急ぎの用事なのかな。
そう思って携帯に視線を落とす。
ディスプレイに表示されていた名前は思いもよらないものだった。
"加奈子"
…え!?!?
加奈子さん…
彼女の名前を呼んでいた、あの時のユキ君の表情を思い出す。
「ユキ君…ユキ君っ!!」
気づけばあたしは夢中になってユキ君を起こしていた。
「ユキ君ってば」
その後何回も揺すって呼んで、ユキ君はやっと目を覚ましてくれた。
「…んだよっ」
「さっきから電話鳴ってるよ」
急いで電話を手渡す。
その画面に表示された名前を見たときのユキ君はひどく驚いているようだった。