不良だらけの危険なバイトッ☆

「ユキ君…」


泣きながらユキ君の手を握る。


「知り合いの方ですか?」


顔を上げるとスーツを着た女性の姿。


「は、はいっ」


涙を精一杯拭って答えた。


「今救急車呼んだんで付き添ってもらえますか?この状態だと一人で行かせるわけには…」


「もちろんです!ありがとうございますっ!」


「じゃあ私は仕事があるんでこれで」


足早に去っていく女性に深く礼をしてユキ君に視線を戻す。


「あと少しで救急車来るから…。もう少し頑張って」


返ってくるはずのない返事の代わりにその手をギュッと握る。


間もなくして救急車が到着した。

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