不良だらけの危険なバイトッ☆
先生は静かに顔にかけてある白い布を外す。
加奈子さんは色白で、すごく可愛らしい顔立ちをしていた。
儚くて美しくて
永遠の眠りについた白雪姫のようだった。
ユキ君は涙一つ流さない。
悲しみなのか絶望なのか、もうその全てに飲み込まれてしまいそうで。
「加奈子は…最後の時まで何度も君のことを呼んでいたよ。君に会いたいと俺に携帯を手渡したのが最後の言葉だったんだ」
先生が優しく言葉をかける。
もう戻らない、なくしてしまった時間。
ユキ君は言葉一つなく、静かな表情で彼女を見つめていた。
────・・・
"お兄ちゃん"
"加奈子ね、世界で一番お兄ちゃんのことが好き"