不良だらけの危険なバイトッ☆
このままここにいたら、いつか加奈子は死んでしまう。
直感的にそう思った。
でも今の俺には、親父や母親と戦って彼女を守る力なんてない。
じゃあどうする…?
ニゲナキャ
アイツラノテノトドカナイトオクヘ
オレガカナコヲマモルンダ…
それだけの気持ちで、加奈子を連れて家を飛び出した。
けれども当時俺は6歳、加奈子は3歳。
右も左もわからない俺達兄妹は、行く宛もなくさまよい歩いた。
どうしていいかわからないうちに夜が来て、
真っ暗闇の下で寒さに泣く加奈子の声で、近くの人に発見されて、俺達は警察に保護されたんだ。
でももちろんあんな家には帰れるわけもなく、俺達は施設に入ることになった。
けれども…
それからは幸せで。
殴られることもお腹をすかせることもなくて
明るい部屋で暮らして友達もできて、学校へも行って…。
親が本当の親でないということを除いては、本当に普通に育ってきたと思う。
…あの日までは。