不良だらけの危険なバイトッ☆
「うるせえ」
いつの間に俺の方が夢中になっていた。
「…最近、ユキはよく笑うようになったな」
「そう…?」
「うん。あんなに怖い顔してたのに今はすごく明るい顔してる」
そう言われて遠くの鏡に映る自分を見る。
…あ。
そこに映る自分は、以前のように真っ暗な表情をしていない。
横でゲームに夢中になる隼人や遼と同じ。
あいつらと俺は違うって思い続けてきたことが嘘のような…
そんな不思議な感覚。
「ほら、ゲームはそのくらいにしておやつにしよう」
キッチンから、エプロンをつけたマスターが出てくる。
鼻をくすぐる甘い匂いと、マスターの優しい表情。
それは俺の心の奥に染みわたっていった。