不良だらけの危険なバイトッ☆
* 前へと
「…こんなこと、誰かに話したのは初めてだよ」
「…話したところで辛い思いさせるだけだし」とユキ君は付け加える。
「そんなことないよ!!話してくれて…うれしかった。
加奈子さんがユキ君にとってどれだけ大切な存在かわかったし…」
「…ん」
ユキ君は真上に広がる空を見つめる。
大切な人を思う彼の目はきれいだった…。
「加奈子が死んだなんて…正直、まだ実感わかなくてさ」
「そんなの…」
当たり前だよ。ユキ君はいままで加奈子さんのためにずっと頑張ってきた。
かけがえのない人なんだもの。
あたしが軽く触れていい世界ではないと、今この瞬間だって思う。
それでもユキ君の手に触れたくなる。