不良だらけの危険なバイトッ☆
少し恥ずかしそうにその花びらを眺めると、ユキはそのままあたしの手を握ったまま制服のポケットに突っ込んだ。
「ちょっと…」
「遅刻するから行くぞ」
早足のユキにバランスを崩しそうになりながらついていく。
斜め前の横顔が真っ赤になっている。
ユキのさらさらの金髪が春風になびく、その方向は桜色の景色。
そう、
…あたしがここへきて二度目の春が来たんだ。
「もー、ユキ、莉子ちゃん待ってよっ!!」
「藤堂君っ」
振り返ると桜よりも眩しい笑顔。
「置いていくなんてひどいよっ…て手までつないで!!」
ずるいと言わんばかりにユキのことを睨みつける。
ユキはめんどくさそうに「うるさいよ」と呟いた。