不良だらけの危険なバイトッ☆
服部さんはもう、卒業したんだ。
春に高校を卒業した服部さんは難関の国立大学に入学。
外見からは想像もつかないその頭の良さは誰も知らなかったこと。
合格通知を見せられたときはみんなでこれは何かの間違いだ!ってからかったりもした。
でも今駅に向かって走る後ろ姿はさわやかで、大学生らしいなって思ったんだ。
「何、服部のことうっとり見つめてるの?」
「え?」
振り向くと不機嫌度MAXなユキがいて。
後ろには鬼か悪魔かわからない恐ろしい幻想まで見える気がした。
「ち、ちがうよ。そんなことない」
「本当に?」
「うん」
「本当に本当に?」
「うん」
「本当に本当に本当に?」
「ほんとだって!!」
「…わかった」
そう言って大きなため息をつく。
やっと納得したかと思えばユキがあたしの後ろから抱きついてきた。