不良だらけの危険なバイトッ☆

「ってぇ…。容赦ないんだよ…マスターは」


ユキ額を抑えながら表情を歪めている。


「莉子ちゃん困ってるでしょ!!そして遅刻するからさっさと学校行く!!」


お構いなしといった様子でマスターはユキの背中を押した。


ユキはうんざりとした目でマスターを見ている。


「もー…わかったから…行こう、莉子」


「うんっ」


やっとユキも行く気になってくれたかと思ってあたしもユキの後に続く…


「って…ユキ!?!?」


ユキに手を引かれるまま走り出したのは駅の方向。


もちろん学校とは反対。


「…いいから」


ユキは一切振り返らない。


後ろからマスターが「こらー!!お前らどこ行くんだ!!」と叫んでいるのが聞こえる。


でもその声が遠くなるスピード。


全速力のユキについていくので精一杯のあたしはそれどころじゃなかった。

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