不良だらけの危険なバイトッ☆
「2番線に電車が参ります~」
朝のラッシュをわずかに過ぎた駅のホーム。
それでもこんな小さな駅でも乗車口には人が並んでいた。
その人の列の一番後ろ。
「はぁ…っはぁ…ユキのバカ」
自分の限界を軽く超えたスピードで走ったあたしは息切れして、ユキの制服の裾を掴んでいた。
酸素が足りなくてくらくらするよ。
「マスターに追いつかれないためには仕方ない」
ユキは涼しい表情でホームの向こうを見つめている。
「そうじゃなくて…学校!!」
「今日から3年生なんだよ」とユキを睨みつける。
こんなんじゃ4月から先生達に目をつけられちゃうよ。
何もしなくてもユキは目立つのに…
「あぁ…そういえば」
「何今更そんなこと言ってるの」
とぼけるユキにあたしは少しイライラしてしまった。