不良だらけの危険なバイトッ☆
久しぶりに見る大きな海に一気に心が奪われる。
次第に電車のスピードが緩まって、その景色が明確になっていった。
「次降りるから」
「え?」
「俺の地元」
それだけ言ってユキは電車を降りていく。
「あ、待ってよっ」
あたしも慌てて後に続く。
改札を抜けたところに広がるのは潮の香りがする町。
田舎でも都会でもない港町だった。
ユキの地元…。
そう考えるだけで見るもの一つ一つが違って見える。
この公園で小さい頃のユキは遊んでたのかな、とかこの学校に通っていたのかな、とか。
あたしが色々なものに目移りしながら歩いている前をユキはずんずんと進んでいく。
途中ユキは花屋でピンクのバラの花束を買ったけど、後は早足でどこかへ向かうだけ。