不良だらけの危険なバイトッ☆

そう言ってユキは少し微笑む。


「でもきっとお前は今でも俺のこと心配してると思ってたから…もう俺は大丈夫って伝えたかった」


ユキ…


あたしの視界にうつるユキの後ろ姿が涙でかすむ。


「お前のことは絶対忘れないけど…俺も前に進むよ。ちゃんと幸せになるから…」


"約束するよ、加奈子"


一度空を見上げて目を閉じる。


振り返ってあたしに見せた姿は凛としていて…


「ユキっ…!!!」


あたしはユキに抱きついた。


「莉子っ…おい」


急に抱きつかれてバランスを崩したユキがよろける。


そのままあたし達は地面に倒れた。


「…ってぇ……」


一瞬顔を歪めたユキだけど、あたしの顔を見たらすこしずるい笑顔を浮かべる。


「ちゃんと聞いてたか?」


まるで…プロポーズ。


「う、うん…」


一気に顔が赤くなった。

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