不良だらけの危険なバイトッ☆
* 黒い虎
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「きゃーっ!!かっこいいーっ」
「すげえなあいつ、これでハットトリックじゃないか!?」
「一人で何点取ってるんだよ!!」
サッカー場に響きわたる歓声。
コートでは青いユニフォームに身をまとった少年が、仲間に囲まれて大きくガッツボーズをしている。
汗で髪もユニフォームもぐちゃぐちゃなのに、その笑顔はきらきらと輝いていた。
今日は藤堂君のサッカー部の高校最後の大会。
決勝戦ということもあって、あたしとユキはその応援に来ていた。
「藤堂君すごーいっ!!」
思わず身を乗り出して、コートにいる彼を目で追いかける。
パスを受け取ると、すぐさま相手のゴールまで切り込んでいくスピード。
数人のディフェンスなんて、軽々と交わしてしまうボールのキープ力。
どれをとっても、どの選手よりもずば抜けていた。
サッカーの神様に愛されたと言っても過言ではない、天性の才能…
そして彼がこの一年間誰よりも必死に練習してきた成果…
その二つの結果が今、コートで大きな花を咲かせている。