不良だらけの危険なバイトッ☆
ユキはあたしの手を掴んだ。
「ユキ…?」
「…行くぞ」
そのままユキは出口の方へずんずんと歩きだした。
「えっ?ユキ!?まだ試合中だよ!?」
振り返るコートはまだ、熱い試合が続いている。
「…もう結果は出たから」
そう言うなり、進む足を速める。
「ちょっ、ええ!?」
前にもあったような展開。
ユキにはいつも振り回されてばかりだ。
会場の近くは人で賑っているけど、ユキはどんどん人気のない場所へ歩いていく。
連れてこられたのは建物の陰になった、少し暗い場所。
こんなところで何をする気なんだろう…。
「もう…ユキ?」
なんなの、と言いたいのを堪えて顔を上げる。