不良だらけの危険なバイトッ☆

「別に……」


ユキは相変わらず機嫌が悪そうで…。


「別にって…。…っえ!?」


少しイライラしながら詰め寄ろうとしたところを、急に抱きしめられた。


「…ユキ!?」


びっくりして顔を上げる。


人目につかないとはいえ、すぐ近くを人が行き来するのが見えた。


「急にどうしたの?ここ…外だよ」


焦って早口になるあたしとは対照的に、
ユキは落ち着いている。


「…お前があいつばっか見てるから」


「あいつ?」


いきなり何を言い出すかと思えば…


「…藤堂君のこと?」


「ん」


そう答えるユキの態度はそっけない。


「だって今日は藤堂君の試合見に行ったんだし」

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