不良だらけの危険なバイトッ☆
隼人。
何度消そうとしたって…
今日の冷たい目を、表情を…思い出してしまうの。
「…ほんとに?」
真っ赤な瞳があたしを見据える。
そこに浮かぶ不安の色。
いけないっ!
ユキの顔を見て、やっと体の震えがおさまった。
「…き」
「…」
「気になるはずないじゃんっ。暴力団だかヤクザだか知らないけど、あんな悪いことしてっ」
自分に言い聞かせる。
それだけの、調子のいい言葉。
「…じゃあ」
ユキが薄い唇を開いた。
「俺だって隼人と同じだよ」
…え。
ズキンと胸が痛む。
「俺だって…悪いことばかりしてきた人間だ。今だって…」
「だってそれは…」
加奈子さんのことがあったから。