不良だらけの危険なバイトッ☆
「すいません、ちょっとテレビ借りますね」
「おうっ、て…え?」
リモコンを差し出した藤堂君が固まる。
いきなり現れた美月に、服部さんもユキも呆然だった。
あたしはオロオロするしかできなくて…
でも、お構いなしに美月はテレビをつけた。
静かな部屋に、ニュースの音だけが響く。
そこに映っているのは見慣れた姿…
"矢吹太一、総理大臣就任"
と大きく表示されていた。
パパ…
「うそ……」
パパが総理大臣に…
あたしはその場にへたりこむ。
服部さんも藤堂君もユキも、驚いたようにテレビを見ていた。
「莉子、知らなかったの」
「うん……」
わけがわからなくて
テレビのレッドカーペットを歩くパパを、ただ目で追った。
あたしが家にいない間に、こんなすごいことになっていたなんて…