不良だらけの危険なバイトッ☆

それでも…

あたしは、ユキのところに帰らなきゃ。


「やだぁっっ!!!」


その思いだけで、必死に抵抗を続ける。


「……」


次第に隼人の顔から、笑みが消えていった。


「お前…自分の立場わきまえろよ」


「……っ」


涙で顔をぐちゃぐちゃにしたあたしを、隼人が睨んだ。


体は震えて、全く言うことをきかないまま。


「何泣いてんの?親元から逃げ出して、あいつらからもてはやされてお姫様にでもなったつもり?」


「……ちがう」


「…何が?俺はお前の親父に頼まれて、お前を本来あるべき場所に連れていくだけ。泣く理由なんてないだろ?」


「隼人はそんな人じゃない」


「…それなら俺は、悪役にでもなってやるよ。元恋人にこんなに残酷に傷つけられるなんて最高のシチュエーションだよな」


隼人…


「……どうしてっ」


「…何?」


「どうして隼人はそんなに変わっちゃったの?」


もう、私の知っている隼人の面影は、どこにもなくて。

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