不良だらけの危険なバイトッ☆
…最低の条件を提示する俺に
お前はなんて答える…?
────・・・
SIDE莉子
隼人の出した条件…
それは、
「今ユキを助けてやる代わりに、お前は俺と、お前の親父の元に帰る。…悪い話じゃないだろう?」
隼人は試すように、微笑んだ。
「あたしが…パパのところに…」
16歳の誕生日の日を思い出す。
婚約者との結婚が嫌で、逃げ出したあの日のこと…
今戻れば、きっとあたしは婚約者と結婚することになるんだろう。
そして、ユキにはもう、二度と会えない。
「…はぁっ…くっ」
カクンーと
ユキは両膝をついて、傷口を押さえている。
顔は真っ青で、苦しそうだ。
「早くしないと、死ぬぜ、こいつ」
「…ッはぁ…莉子…だめだ」
ユキが言葉を絞り出す。
真っ赤な傷口からは、血が止まらない。
時間がない…。