不良だらけの危険なバイトッ☆
* 交錯する想い
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SIDE莉子
真っ暗な、空。
屋上から見える街は、ネオンできらきらしているのに、空は星ひとつ見えない。
高さは3階でそんなに高くないけど、
逃げれるような状況でもない。
冷たい夜風になびかれながら、あたし達はその瞬間を待つ。
隣ではスーツを着た隼人が、腕時計に目をやっていた。
「もうすぐだな」
「……っ」
あたしは覚悟を決めて、目を閉じた。
その時。
バタン…ッ
屋上の入り口の扉が開いた。
ツカツカという靴の音。
早足で近づいてくる人影。
「来たか…」
隼人が微笑する。
「……」
そんな隼人を鋭く睨みつけるのは、
「ユキ……」
あたしの瞳はまっすぐに、ユキだけをとらえていた。