不良だらけの危険なバイトッ☆

そう言って隼人があたしの腕を引いた。


あっという間にユキと離されてしまう。


「………」


…ユキ…。


ユキは黙ってその様子を見つめていた。


もう、言葉を交わすことさえできない。


そのまま…


「お待たせしました」


いつになく丁寧な隼人の言葉を合図に、屋上の扉が開いた。


ゾロゾロと中に入ってくる人達。


その中心にいたのは


「……パパ」


「久しぶりだな、莉子」


総理大臣になったパパには初めて会う。


でも…相当怒っているのだろう。


冷たい空気だけが、そこに流れていた。


「やっと、戻って結婚する気になったか」


……っ。


もう決めたこと。


あたしは静かに頷いた。


「ようやく自分の立場をわかったようだな。感謝するよ、沖田君」

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