不良だらけの危険なバイトッ☆

隼人の考えていることがわからない。


「黒虎のことか?」


「……それもだけど。お前…まだ莉子のこと好きなんじゃないのかよ?」


隼人が一瞬、拍子抜けたような表情を見せる。


「……クールなお前がそんなこと聞くなんて珍しいな~」


「…うるせ」


茶化してんじゃねえよ。


でも莉子のことになると、余裕がなくなるのは事実だ。


少しだけ、顔が熱くなった。


「でも…」


隼人の表情が真面目なものに変わる。


「俺は莉子に嫌われた方がいいんだよ」


「…なんで」


「俺が黒虎(ここ)にいるのは、お前が夜の世界にいたのと全く同じ理由だから」


「逃れられることじゃない」と、隼人は付け足した。

< 419 / 527 >

この作品をシェア

pagetop