不良だらけの危険なバイトッ☆

それからはもう、無我夢中だった。


必死に泳いで岸を目指した。


思考は全く働いていない。


感覚もない。


それでもただ、泳ぎ続けた。


莉子、莉子っ………!!!


何度も呼んだ名前。


彼女を守りたい


ただ、それだけ…


それだけが俺の、願いだった。


「ユキ、莉子ちゃんっ!!!大丈夫か…!!!」


マスター…?


「ユキ、凄い怪我っ」


「莉子ちゃんは…大丈夫、気を失ってるだけだ」


遼…、一哉…っ。


遠い意識の中、聞こえたみんなの声。


どこにたどり着いたかはわからない。


でも、体はすごく軽くて。


ぼんやりとした景色の中…


隣で眠る、莉子の姿が見えた。


あぁ、


助かったんだ……。


ホッとした瞬間、全身の力が抜けていく。


「おい、ユキ…!!!」


もう、俺が望むことは何もない。

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