不良だらけの危険なバイトッ☆
「…ど…く?」
「うん」とマスターが頷いた。
「ナイフに塗られていたんだって…。本当は2、3時間もすれば毒が回って、動くこともできないくらいだったんだって」
2、3時間……
実際はそれの倍以上の時間が経っている。
ずっと…、動けないような痛みと戦いながら、
それでも守ってくれてたの…?
「ユキ……っ」
「ユキ自身も、毒には気づいてなかったかもしれない。…でも、…苦しかったと思うよ」
マスターも、藤堂君も、服部さんも…
みんな、泣いていた。
毒が回る前に、病院に行けてたら…。
それでも、苦しくても、あたしのところへ来てくれた。
それなのに…
目の前で苦しむユキに、何一つしてあげられない。
「ごめん…っ……ユキ……っ」