不良だらけの危険なバイトッ☆
ユキ…………
頬に触れたその手に、手を重ねる。
ユキの手はあたしの涙で濡れていた。
「りこ………」
「……ん?」
「…ありがとな…」
「うん……」
「俺は…、幸せだった…よ」
「何……弱気なこと言って!!!!」
感情が高ぶって思わず叫んでしまう。
でもユキの表情は変わらなかった。
優しい、幸せそうな笑顔のまま。
まるで世界の終わりでも見ているかのような、
そんな表情。
「……1人に、しないでよ」
肩の震えが止まらない。
握りしめる手にも、力が入らない。
「げほっ……げほ、ごめんな」
真っ白な布団を染める、血。
青ざめた顔。
「…離れたくないけど…….、無理…みたいだ」
残酷なまでに眩しい笑顔。
「うそ……」
そんなの……嘘だよ……