不良だらけの危険なバイトッ☆
莉子が選んだのは俺じゃなくて
ユキなんだよ。
「…」
唇を噛んだ。
なんで…。
「死ぬ気かよ…」
弱気な俺の言葉を、否定することもなくユキはうなずいた。
「…ああ」
覚悟を決めた、男の目。
莉子を守ると決めた、強い決意。
「……馬鹿野郎っ!!!」
思いっきり、ユキの服を掴んだ。
「…何言ってんだよ!!!お前が死んでどうするんだよ!!!」
それがどうにもできない問題だとしても、怒りに任せて怒鳴り散らした。
「…ってえよ…お前が殺す気…かよ」
ユキが笑った。
「…冗談に決まってるだろ…」
瞳の赤が揺れる。
変えられない。
俺にもユキにも、未来を変える力はない。
できることなんて限られている。
それをやるしかないことも…。