不良だらけの危険なバイトッ☆
"黒虎"のリーダーである俺の死。
それはこの組織の事実上の崩壊を意味する。
幸いにもその瞬間の証人はこんなにいるから。
心臓がバクバクいってる。
緊迫した状況で警察がこっちを見ている。
けれども、外野の声なんか何も聞こえない。
「はぁっ…はぁ…」
次第に荒くなる息づかいだけが、自分がまだ生きていることを確信させていた。
どうすれば莉子は
幸せになれる?
愛する人の笑顔だけがずっと心の中にあった。
莉子が選んだのは雪夜という男。
本当はずっと一緒にいたかった。
手放したくなんてなかった。
けれども、汚れた自分の存在を明かすことはできなくて…。
ただ、莉子が幸せでいてくれたらと、俺はその姿を消した。
でもそれだけじゃ駄目で、俺の存在はいつの間にか莉子を苦しめる影となっていた。
"黒虎"が、なんて言ってみても結局俺に力が無かった。
それだけのこと。