不良だらけの危険なバイトッ☆
一歩、一歩と足を進めていく。
…あたしは今日、高校を卒業する。
あっという間の時間だった。
この日々が辛くなかったと言えば嘘になるような、激動の1年。
事件の後、家に戻って転校した学校…。
レベルが高くてついていくのが大変だったけど、とにかく必死に勉強した。
そして、晴れて名門大学への合格を決めることができた。
受け取った卒業証書はその重さ以上の意味がある。
式でのパパとママの涙を見たとき、これでよかったんだと心から思えた。
「大学行っても会おうね」
「ずっと友達だよっ!!」
友達と言葉を交わしながら、校舎を出る。
式の余韻で、学生達が別れを惜しみ、門出の言葉で祝福する。
人で溢れかえった、桜並木の向こうには学校の大きな門。
人並みをかき分けて、
あたしはその方向をきょろきょろと探し回る。
あ…
"見つけた"