不良だらけの危険なバイトッ☆
「いいな~、莉子ちゃんと隼人、同じ大学行くんでしょ」
「…二人とも受かるなんてびっくりだよね」
…感慨深げな服部さんの言葉だけど、
…あたしもそう思う。
大学の偏差値は70を超えている。
倍率もすごく高くて、そこにあたしも隼人も合格しているなんて、カフェのあの日々を考えると信じられない。
けれども、やりたいことがあった。
それは隼人もずっと同じ気持ちで。
あたし達が進むのは
…医学部。
あの日のことを…
ユキのことを
忘れた日は一日もない。
ユキが加奈子さんのためにしてきたこと。
そして、あの時、苦しむ彼を救えなかったこと。
ただ…自分達の無力さを知った。
そんな瞬間だった。
本当は、政治家の娘ならそういう道に進むべきなのかもしれない。
けれども、同じ苦しみはもう誰にもさせたくない。
そのために何かをしたいと思った。