不良だらけの危険なバイトッ☆
────…
「お兄ちゃんーっ!会いたかったよー!」
「おいっ、加奈子っ」
待ちきれずに、コートを掛けるお兄ちゃんの背中に抱きつく。
「まったく…。昨日会ったばかりだろ?」
ため息をついて、振り返る。
最近見せてくれるようになった、あの笑顔だ。
「だって、お兄ちゃんが来てくれるのがうれしいんだもんっ!」
「…ありがとう。だけど風邪引くから、ちゃんとベット入ってろ」
そう言ってお兄ちゃんが持っていたコートをかけてくれた。
「あったかい…っ」
襟のところをぎゅっと掴むと、お兄ちゃんの匂いがする。
…加奈子の1番好きな匂い。