不良だらけの危険なバイトッ☆
◇
「最近?…マスターが温泉に連れて行ってくれたくらいかな?」
「温泉!!おっきいお風呂があるんだよね?」
「そうそう。卓球なんかもしたかな」
「いいなぁ、加奈子もやってみたい!」
「治ったら連れてってやるから、次の手術頑張れよ」
「うん!」
丸い椅子に腰掛けながら、ベットに座るあたしの頭を撫でてくれる。
やっぱり口数は多くはないのだけど、お兄ちゃんは楽しそうに話してる。
その内容はいつだって、カフェのメンバーのこと。
そして
「その旅行には…カフェの女の子の…えーっと」
「莉子のことか?」
「そう!莉子さんも行ったの?」
「…あぁ」
莉子さんのことを話すときのお兄ちゃんはちょっと違う。