不良だらけの危険なバイトッ☆

一瞬の触れるだけのキス。


けれどもスローモーションで時が流れた気がした。


「…っふ」


微かに聞こえた吐息。


あたし…この声を知ってる?


それと同時に


ガシャーン!!!


何かが飛ばされたような大きな音がした。


「誰がお前なんかに渡すかよ」


聞きなれた声。


目を開けるとそこにいたのは


あたしにキスをしたのは


「はや…と…っ!!」


息を切らしたままあたしを見つける隼人の姿があった。


そしてキスをされるはずだったヤンキーは体育倉庫の奥で伸びている。


「大丈夫か…っ」


肩で息をしながら隼人はあたしに問いかける。


「っ…あ…」


「うん、ありがとう」って言いたいのに言葉がうまく出てこない。

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