不良だらけの危険なバイトッ☆
恐怖と安心感が混ざった涙が次から次へと零れた。
「怖かっただろ。もっと早く助けてやれなくてごめんな」
いつになく優しい声でそう言うと隼人はあたしを抱きしめた。
呼吸で隼人の肩が揺れている。
…あたしはこの時やっと理解した。
隼人はきっとあたしのことを必死に探しまわってくれていたんだってことを。
そしてそのおかげで自分は間一髪のところで助けられたってことを。
ありがとう、隼人…
「ふええええんっ…」
あたしは隼人の腕の中で大声を上げて泣いてしまった。
「ごめんねっ…ごめんね」
「謝るんじゃねえよ。彼女のこと助けるのは当たり前だろ」
…仮の彼女。
それなのにこうやってあたしのことを探して助けに来てくれた。
優しいのか意地悪なのかわからないけど
それでも自分の中で少しずつ隼人の存在が大きくなっているのがわかった。