不良だらけの危険なバイトッ☆
「おー、勝ってるじゃん♪」
なんて言いながら藤堂君はソファーから体を乗り出していた。
"伊藤が上がっていく、鈴木がパスを出した。どうだー!?ゴール!!日本追加点"
「っしゃー!!」
両手を突き上げてはしゃぐ藤堂君。
ほんとにサッカーが大好きなんだな。
「藤堂君はサッカーやってるの?」
あたしはソファーの隣に腰かけた。
「ん…?あぁ、まあな」
「へぇー、サッカー好きなんだね」
何気なく笑いかけると藤堂君の表情が一瞬凍りついた。
…あ、あれ?
「別に…好きでもないよ」
「…え」
思ってたような反応と違う。
…藤堂君?
あたしもとまどいを隠せなくなって何も言えなくなる。
「あっ、なんでもない!!他のスポーツも同じくらい好きってこと」
それを察したのか藤堂君がいつもの笑顔に戻った。
けれどもあんなに夢中になっていたサッカーの中継をいとも簡単に消してしまった。