不良だらけの危険なバイトッ☆
肩を揺すってみたけど
「……」
全く起きてくれる様子はない。
「ユキ君ってば」
あたしも負けじと何度も肩を揺らす。
けれども状況は変わらない。
どうしよう。
マスターに頼んでみようかな?
あと一回起こしてダメならそうしよう。
そう思ってあたしはもう一度ユキ君の元にしゃがんだ。
だけど
「ユキく…」
声をかけようとしてあたしは途中で止まってしまった。
それはあまりにも綺麗な寝顔だったから。
前にも見たことがあるけど、その時はあたしはパニック状態で。
綺麗だなと感じている余裕なんてなかった。
ユキ君のかっこいいんだけどどこか儚さを感じさせる表情。
初めて見る、こんな無防備な寝顔。