だって、好きなんだもん!
「じゃあ、美和子ちゃん、行ってきまーす」
「凛子ちゃんバイバイ」
美和子は俺の母親。
どうやら、母さんは俺より凛子の方が大好きだ。
別に母さんに好かれたくもねーけど。
「ねぇねぇ、今日英単語テストあるんでしょ?」
「あぁ」
「勉強した?」
「したけど。凛子は?」
「へへへ。一応」
一応とか言っておきながら、凛子は毎回満点だ。
「健君、今日風邪で休むんだって〜」
「まぢ?」
「うん。朝メール来たから」