純血のヴァンパイア
「ゴメン、出来ないよ―――っ、ちょ…燐?!」

離れようとした私の手を引いて、抱きしめるように身体を近づける。

目の前には、燐の首筋。


ドクドクと脈打つ、動脈。

脈に呼応するように胸が高鳴り始める。

「は、離して。雪兎が居るから―――」

「ダメだ。血を飲むまで離さない。」

抱きしめる腕に力を込める燐。


そして、抱きしめたまま燐は自分の首を爪で引っ掻いた。

一筋の紅い筋が、燐の白い首に出来る。


血の匂い。

もう、何日も飲んでいない血。


だんだんと、本能の抑えが利かなくなり

眼が紅くなっていく。

「くっ…」

「我慢、しないで。優」

優しく囁く燐。

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