純血のヴァンパイア
「やめなさい!」

ザッと芝生を踏みしめ紅い眼を光らせる。

突然現れた私にビックリしたのか

身体を縮め、警戒したように私を見る。


雪兎を驚かせようとした訳じゃない。

でも、ヴァンパイアに恐怖を抱く事は悪い事じゃない。

むしろこの先、夜を1人で出歩かないよう警告するには

これが良い方法かもしれない。


シャキッ……

武器を手にし、後方に居るディジェネレートに威嚇する。

「下がってて」

静かに、雪兎の横を通り過ぎる時声を掛けた。

「え?」

驚いたように、目を大きく見開く。
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