純血のヴァンパイア
雪兎には見えないようだけど、確実に2人いる。

「私は、湊家次期当主。すぐに立ち去りなさい。」

このまま、何もなければいい。

そう思っていたけど、そうもいかないみたい。


ヴァンパイアの1人が、木の影から姿を現し飛び掛ってきた。

「ヒィッ……ヴァン、パイア?」

対峙している中、後ろで雪兎が尻もちをついたのが気配で分かる。


「く……立ち去りなさい、と言ったのに。」

雪兎の目の前で、同胞を殺したくはない。

なのに――――――


「規律を守れないヴァンパイアは私が粛清する。」
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