純血のヴァンパイア
8.王の思惑
ある思いを胸に、屋敷の奥にある大きな扉に手を掛ける。

この扉の向こうは、ヴァンパイア界に繋がっている。

どういう答えが返ってくるか分からない。

けど、やれるだけの事はやってみよう。

「優月。」

「一人で行くつもり?水臭いな~」

いつの間にか、後ろに立っていた2人。

「蓮、燐・・・」

私一人で背負うべき問題なのに。

こうして、いつも傍に居てくれる。

「ありがとう。」

涙が零れそうになる。

なんだか、雪兎に会ってから涙脆くなってる気がする。

けれど泣いてなんか居られない。

今からお父様に話をしに行くんだから。



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