純血のヴァンパイア
あ、そう言えば

ココに来てから、蓮一言も喋って無いような。

ふと、斜め前の席を見ると

無言で本を呼んでいる、蓮と一瞬目があった。

「蓮、お前・・・」


「霧生、お前どう言うつもり?」

え?言ってる意味が分かんないんだけど?

不思議に思っていると

本に目を落としたまま、小さな声で話を続けた。



「本当は、もう記憶戻ってるんだろう?」

え、なんて―――――――

別に聞こえなかった訳じゃないけど

自分の耳を一瞬疑った。
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