純血のヴァンパイア
あ、やっぱり前言撤回。

コイツ、やけに鋭いとこあるから苦手だ。

いつから気付いてたんだろう。

ここは、惚けるべきか。

それとも開き直るべきか。

一瞬、脳内会議をフル回転させ思案する。

けれど、結局こいつには嘘をついてもすぐにバレるだろうし

だからと言って、優月に話したりはしないだろう。



「いつから気付いてた?」

やっぱり、と小さく呟いて僕を見る。

「図書館」

図書館?いくらなんでも短すぎて意図が分からん。

「どういう事?」

「行きたくないって言ったろ?だから、もしかしてと思って。」

たったそれだけの事で、僕が記憶を取り戻したかもって

思ったって言うのか?

どんだけ鋭い洞察力持ってるんだよ。
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