純血のヴァンパイア
『優、俺がヤッてもいい?』

銀色の狼が私の様子をうかがう様に見上げて来る。


「燐、ダメよ。これは私の役目。」

そう。私がやらなくちゃいけない。

湊家の、次期当主として。



シャキッ……

武器を手にし、気配を消して彼女の後ろに付く。

彼女は、目の前の人間に夢中で全く気が付いていない。

柄の部分を彼女の首元にぴったりとつけ、グイッと首を軽く締め付ける。


湊一族の武器はそれぞれ違うが

私のソレは、三日月のような曲線の刃をもつ白銀の大鎌。
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