純血のヴァンパイア
「いい加減にしなさい。これ以上人間を襲うというなら、容赦しないわよ?」

耳元で低く抑揚のない声で囁く。


「お前、何者?」

振り返り私を見ようと、首だけをゆっくりと回す。


「湊家、次期当主と言えば分かるかしら?」

「ヒィッ」

眼を大きく見開き驚く。

彼女の瞳の中に、私のヴァンパイアの証でもある紅い眼が映し出される。


「み、湊家…あなたは純血の」

彼女の顔に焦りの色が浮かぶ。

私が純血種であり、力の弱い彼女が逆らう事は出来ないと

きっと本能的に悟ったからだろう。

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