純血のヴァンパイア
「スミマセン。もう、しません…」

女はうなだれ、少し怯えたように震え始めた。

「そう。分かったなら、直ぐに立ち去りなさい。」

大鎌を下ろし、彼女の前に座り込んでいる青年の方に向かった。


「大丈夫?」

屈んで、目を合し様子をうかがう。

「あ、あ、あ…」

後ろに居る彼女が気になるのか

後ろを指差し、言葉にならない声をあげている。


「フフフ…純血…そう、か…お前の血を飲めば…血を寄こせッ!!」

大人しそうにしていた女が、突然襲い掛かって来た。

けど、そんなのお見通し。

だてに、王の娘やってないわ。


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