純血のヴァンパイア
そう言われ、私は迷わず静瑠と結婚する事を決めた。

雪兎を助けるため。

「分かったわ。あなたと結婚する。だから、彼を雪兎を解放して」

「良い子だ。人間は解放しよう。」






あの時、そう言ったのに―――――――

こいつは、約束を守らなかった。


「約束など、我々には無いも同然。」

「いい加減にしなさいっ」

ジャラ・・・・・

ベッドから起き上がろうとしたけど

鎖が邪魔で起き上がれない。

こんな鎖―――――

「あ、無理に引きちぎろうなんて考えないでね。ソレ、純銀製だから君の綺麗な手足が取れちゃうよ。」

クククッと喉を鳴らして笑う静瑠。

確かに、何度か引きちぎろうとするけど

全くちぎれる様子は無く、手首に傷を作っていくだけだった。
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